京滋探訪

2013年にブログを開設しました。京都の各地に行って見聞きしたものや感じたことを書いています。

智積院、通し矢、法住寺

1月18日の三十三間堂の柳のお加持に行きました。

いつものように、山科から京阪バスに乗り、馬町停留所下車で徒歩で東大路通りを下がります。
東山七条まで来た時に、智積院が特別公開中だったので入りました。


イメージ 1

真言宗智山派の総本山です。真言宗といえば東寺が有名ですが、こちらは浄土思想を取り入れた新義真言宗です。阿弥陀大日如来曼荼羅の一仏と考えます。
また、この寺院およびこの土地は複雑な変遷があります。
智積院はもとは紀州根来寺覚鑁が創建)塔頭でした。開祖はその名を冠した智積院玄宥です。
根来寺根来衆(忍者集団?)の本山です。秀吉と家康が戦った小牧長久手の戦いで根来衆は家康側に付いたことから、その後秀吉から攻撃されました。
この地は、秀吉の長男で夭折した棄松の菩提を弔った祥雲禅寺があったところで、家康が天下を取った後に、玄宥の功績が認められこの地を与えられました。
かつて、自分を苦しめた秀吉の寺領を与えられる・・・・内心大変喜んだのではないでしょうか。

イメージ 2
講堂を拝観しました。講堂は灌頂会や門信徒の回向に使用され、新しい建物です。

イメージ 3

イメージ 4
祥雲寺にあった長谷川等伯一派の障壁画のレプリカがあります。
本物は隣接の宝物殿にありますが、当時はこのような極彩色のきらびやかな絵画だったのでしょうか。ここは写真可です。

イメージ 5
イメージ 6
裏の庭園は祥雲寺建立時の遺構だそうです。

イメージ 13

本尊は千手千眼観音です。千手千眼観音のことを蓮華王といいますので、この寺院は正しくは蓮華王院と言います。
柳のお加持は1月15日に近い日曜日に行われるので、今年は18日です。この日、本堂は無料で開放されていて、柳のお加持は湛慶作の本尊の前で授与されます。僧侶が浄水に浸した柳で参拝者の頭に水を振りかけます。頭痛封じです。
同時に通し矢が行われます。全国から新成人が羽織袴で弓を射るので有名です。特に女性による通し矢ははなやかな雰囲気を醸し出しています。
すごい観客が多く写真に撮ることができません。最後の方におっさん?の通し矢が行われますが観客が少なくて余裕があります。

イメージ 7
イメージ 8
イメージ 9

三十三間堂の斜向かいにある法住寺後白河院の廟所でもあります。平安時代末はこのあたりは広大な法住寺殿として、木曽義仲による焼き討ちに会うまで院政の中心地でした。
三十三間堂、新日吉神宮、新熊野神社法住寺領内の遺物です。三十三間堂の全ての千手観音は法住寺後白河院のほうに向いていると言われています。
こちらも、寺領が開放されていて、僧侶によるお加持が行われます。大根焚き(有料)も振舞われます。
本堂には本尊・後白河院坐像のお前立が鎮座しています。現代の彫刻ですが秘仏だそうです。秘仏というと相当古い時代のものと思ってしまいますが、不思議な気がします。どんな古いものでも当初は新しかった・・・・そのとおりです。

イメージ 10
イメージ 11
イメージ 12

(2015年1月18日)