伏見街道
数十メートルいったところに浄雲寺というこじんまりした寺院がありました。なんとなく気になったので入ってみました。本堂には入れませんでしたが、となりのお堂の折上天井に龍図がありました。大寺院以外ではあまり見ないものです。いいものを見せていただきました。
JRの線路を超えて、東大路通りとクロスするあたりに万寿寺があります。拝観寺院ではないのですが、観光客が知らずに入ってくるようで、入山禁止の注意看板がありました。ここは室町時代の禅宗の京都五山制度の第五番の禅寺で、相国寺や東福寺などと同列の由緒ある寺院です。田の字地区に万寿寺通りという路がありますが、ここが通り名の由来になった寺院で、発祥の地は万寿寺高倉の白河天皇皇女・郁芳門院の御所があったところです。
JR奈良線稲荷駅の踏切近くの法性寺は洛陽三十三箇所観音霊場第二十一番札所です。法性寺は小さな寺院ですが、平安時代に藤原貞信公忠平が創建した藤原氏の広大な氏寺でした。東福寺の地も元は法性寺の土地だったと言われています。
拝観させていただきかったですが、残念ながらお堂の工事をされていて入れませんでした。別の機会に拝観したいと思います。
しばらく進むと、こじんまりした寺院ですが、西山国師の南遣迎院があります。ここは浄土宗の法然の高弟・証空の往生の地です。証空は西山国師といい、浄土宗西山深草派(本山誓願寺)、西山禅林寺派(本山永観堂)の教祖です。鷹峯に遣迎院がありますがここが旧地となります。
藤森神社に涌く水は、二つとない、不二の水と言います。 志納金を納めますが、ほとんど無料でいただけます。訪問した時も汲まれていました。量の多さに驚きましたが、業務用ではなく家庭用だそうです。ろ過装置が入ったそうで、安心できるとか。
手水舎の水鉢の台石は、宇治川の浮島の十三重石塔の一部を石川五右衛門が取ってきたものとか。石塔の一部の色が変わっているのはそのためとか。十三重石塔はチェックしにいこうと思います。
そろそろ最後の伏見桃山に近づいてきました。御香宮は神功皇后、仲哀天皇、応神天皇などを祀っています。平安時代の創建です。名前の通り、こちらも良い香りの水が湧き、御香水といいます。こちらも飲めるそうです。
やっと伏見桃山駅に到着しました。大手筋通りに銀座跡の石碑があります。徳川家康が伏見に銀貨の鋳造所である銀座を開き、大黒常是に鋳造を担当させました。
ここから、京阪電車に乗って帰路につきました。
(2018年11月3日)