京滋探訪

2013年にブログを開設しました。京都の各地に行って見聞きしたものや感じたことを書いています。

京都府立総合資料館創立50周年

京都検定勉強のため、京都府立総合資料館はよく利用していました。
ここは主に資料閲覧室と自習室に分かれています。京都市内で、学習塾以外での自習室は多くなく、ここは無料で利用できる数少ないところです。また、閲覧室は京都関係の資料が最も多いようです。この手の調べものにはもってこいのところです。
それと年に数回展示室で特別展示があったり、今年度(2013年)は特に創立50周年ということでさまざまな催しが開催されています。
今まで展示品の解説や催しは平日のため、参加できないことが多く残念ですが、今年に限っては数回、土、日に開催しているので行ってみました。
 
Ⅰ.国宝・東寺百合文書展
今年、ユネスコの記憶世界遺産に登録されたことを記念して特別展示が催され、展示室で京都精華大学名誉教授の解説を聴きました。
先生は、昭和44年から東寺百合文書のお仕事をされていた関係で今回の解説を要請されたそうです。
東寺百合文書は、東寺に伝来する文書で、塔頭観智院の杲宝が編纂。加賀前田家が古文書に興味を持ち、借り受け、目録作成や保管用桐箱を準備しました。
この文書は地味ですがその重要度は別格だそうです。一般的に古文書は為政者が自分の都合のいいように書かせたものが多く、それに対してこの文書は特に民の訴訟、税、寄進土地について書かれたものが現存していて、当時の社会の様子がわかる大変貴重な資料だそうです。
 以下のような面白い話を聞かせていただきました。
 ある桐箱には足利尊氏の花押が7点あったそうです。尊氏の花押1点で百万円、それだけで七百万円の価値があります。また百合文書には上皇の宸翰が全てそろっているそうです。それも南北朝どちらも。もじどおり国宝級です。
 鎌倉時代の訴訟の文書が現存していて、その文書によると当時は敷地の境界の概念が乏しく、百姓は公道を耕作地にしてしまう。元寇の褒美がなかった御家人もしかりで同様の手口で公道を私有地化したと。幕府はそれを黙認していたそうですが、それは争いになるでしょう。

 民が東寺に土地を寄進し、東寺は寄進者の命日に法要を執り行う。応仁の乱以前に誰がいつ、どこの土地を寄進したかわかる大変貴重な史料があります。
 仏舎利の目録あり。仏舎利の扱いは天皇上皇が権限を持っていた。ただし、仏舎利は本当の骨ではない。米粒(しゃり)が真実。
 
Ⅱ.現代京都のものづくり
 
講師は関西文化学術研究都市の株式会社ART Creativeさんです。日ごろ聴講する講演と毛色が違っていておもしろかったです。
この会社の商品はロボット、博物館・美術館のガイドシステム、地図ぶらりの3つです。
 ロボットはさすがに学研都市です。二足歩行など高度な技術開発をされています。
 博物館・美術館のガイドシステムは、その写真にタッチすると作品の説明が始まります。太秦映画村でも採用されています。
 地図ぶらりは絵地図や古地図上に現在位置情報を表示することができるスマホアプリです。アクセスをするとJPSの現在位置情報取得の承認を聞いてきます。
現在地が絵地図や古地図の範囲内にあるときは青いアイコンが表示されます。京滋探訪の時のサポートにもなります。京都の地図はフリーソフトですが、一部課金されています。
 
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