滑り石越え
滑り石に行く前に、その近くに内蔵助の隠棲地を含めたゆかりの場所があります。
大石神社は内蔵助の顕彰のため昭和になって建立されました。祭神は大石内蔵助です。
宝物館がありますが無料です。忠臣蔵の歴史や歌舞伎、演劇関連のものが多くあります。好きな人は興味がつきないと思います。
市内の宝物館で無料のところはあまり知りません。ちいさいですが。
大石神社から数十メーター行ったところに岩屋寺があります。ここが内蔵助が隠棲し討ち入りの策略を練ったところとして有名です。
その後、荒廃していた寺を赤穂藩家老の浅野家子孫で京都奉行・浅野長祚が復興しました。境内には内蔵助の遺髪塚、ゆかりの茶室などあります。
岩屋寺の横に山科神社が鎮座しています。区民の私でもこの神社はあまり名前を聞きません。ただ、説明板を読むと平安前期に創建されたそうで、この地方の豪族の宮地家の祖神で昔は広大な神陵だったそうです。宮地家ゆかりといえばここから近い勧修寺があります。岩屋寺、山科神社のあたりはいまでは少しさびれたような感じがしますが、昔はちがったのかもしれません。
滑り石は、東大路道から山科に行く、抜け道ですので結構車が通ります。片側一車線なので怖いです。
一説には延仁寺が正しいとか。古来京都の葬送の地のひとつであるある鳥戸野はこのあたりだったからでしょうか。
来迎院に行くのに東大路通りに出ると遠回りなので、裏の泉涌寺霊園の横を通ります。ここも冒頭で述べたように内蔵助ゆかりのところで、独鈷水、茶室含翠軒が有名です。ここはしっとりとしていて、落ち着きます。私の好きな場所の一つです。
境内には、後白河院御手植えの大楠があり天然記念物に指定されています。
ご神木の楠の前にさすり木というのがあります。さすればご利益があるとのことで賽銭を入れてさすりました。ここだけの話、こんなことをしているのはわたしだけかもしれませんが・・・。
以前、奈良国立博物館で何か忘れましたが、仏像の特別展がありました。その時に木彫の仏像の製作時に彫られた木屑のサンプルがあったのでいただきました。
木の種類は、ヒノキ、榧(かや)、楠木の3種類でいずれも、嗅いでみるとそれぞれ特徴があり何ともいえないいい匂いがします。
博物館の方によると古い時代の仏像でも、いまでもほのかに香るそうです。
そういうわけでこういう匂いのする木を見ると嗅いでみます(誰もいないことをたしかめてから)。このさすり木もほのかに香りました。
(2013年6月2日)